保険治療では、治療費が安く済むというメリットはありますが、金属の詰め物や被せ物を使用することで、様々なデメリットがあります。その一つ目が「二次むし歯・歯周病になりやすい」というデメリットです。二次むし歯とは、むし歯が金属の詰め物や被せ物の下で再発してしまうことです。
そして歯周病は、お口の中の細菌が歯を支える骨を溶かしていき、最後には歯が抜け落ちてしまう病気で、様々な全身疾患と密接な関係があります。では、どうして、金属の詰め物・被せ物では、二次むし歯や歯周病になりやすくなってしまうのでしょうか。
銀歯の表面には、実は見えない小さな傷がたくさんあります。そして、その傷の中に細菌が詰まっています。
この傷の中の細菌は、歯ブラシで磨いても取れないので、どうしてもお口の中にべとべと感が残ってしまいます。そしてそのことが、二次むし歯や、歯周病を進行させる原因となるのです。
銀歯が錆びたり劣化すると、歯と銀歯の間に隙間ができるので、銀歯の下に、二次むし歯ができてしまいます。
お口の中は酸性、アルカリ性、熱い、冷たいなど過酷な環境です。金であればこのような環境でも変化しませんが、保険の銀歯(金銀パラジウム合金)は、金が12%しか含 まれておらず、銀やパラジウムがほとんどを占めています。そのため、銀歯が錆びたり劣化して、銀歯の下に二次むし歯ができやすくなるのです。
銀歯の表面には、実は見えない小さな傷がたくさんあります。そして、その傷の中に細菌が詰まっています。
この傷の中の細菌は、歯ブラシで磨いても取れないので、どうしてもお口の中にべとべと感が残ってしまいます。そしてそのことが、二次むし歯や、歯周病を進行させる原因となるのです。
物質は熱くなると長さや体積が少しずつ大きくなります。この現象を熱膨張といい、材料によって伸びる長さは異なります。
温度が1℃上がったときにどれだけ伸びるかを調べたのが熱膨張係数です。
銀歯は天然の歯とは熱膨張係数が異なるため、温度による膨張、収縮により、隙間ができ、そこからセメントが流れ出て、二次むし歯になりやすいといえます。
エナメル質 | |
---|---|
係 数 | 11.4 |
備 考 | 備考 |
セラミック | |
係 数 | 10.5 |
備 考 | e-max |
コンポジットレジン | |
係 数 | 26-40 |
備 考 | 備考 |
銀歯 | |
係 数 | 15 |
備 考 | 備考 |
さいとう歯科では、銀歯をはずしたときの、二次むし歯の発生率、ガルバニー電流による焦げの発生率を調査いたしました。調査総数は106件となります。
ガルバニー電流による焦げ
二次むし歯
銀歯の影響としては、むし歯再発の早期発見がしにくくなることがあげられます。レントゲンで撮影しても、銀歯の部分は白くなってしまいます。(障害陰影)この障害陰影によって、中が二次むし歯になっていても、透けないので視診でもわからない、また、辺縁がむし歯で黒くなっても気付きにくいというデメリットがあります。
皮膚炎、口内炎、喘息、掌せき膿胞症、かぶれ、不定愁訴、生理不順、肩こり、頭痛、腰痛、ひざの痛み、立ちくらみ、めまい、自律神経失調症、内臓疾患など、なかなか良くならないその症状は、お口の中の歯科金属が原因かもしれません。ピアスやブレスレットなどのアクセサリーは外せますが、歯科金属は自分で外せません。
金属が汗や唾液などによってイオン化すると、金属イオンが体内に入ってきます。体内に入ってきた金属イオンは、身体の中のたんぱく質と結合します。この、「金属とタンパク質とが結合した新しい物質」を、身体は「異物」と認識し、次に同じ金属が体内に入ってきてたんぱく質と結合した時、身体がそれを攻撃しますが、同時に、皮膚や粘膜をも破壊してしまい、「金属アレルギー」となります。
金属アレルギーは「遅延型のアレルギー」のため、金属に接触してすぐに症状が出るわけではありません。そして特定の金属で一度金属アレルギーになると、一生続いてしまうという側面も持ち合わせます。
ガルバニー電流とは、歯科金属が口腔内に複数ある場合、唾液を介してイオン化、流出し、銀歯間を流れる電流のことです。このガルバニー電流によって銀歯の裏側には焦げなどができることもあります。
また、ガルバニー電流の影響で、銀歯と歯を合着させているセメントが溶け出してしまい、銀歯と歯の間に空間ができることで、食べ物のカスや菌が入り込み、二次むし歯を引き起こします。
さらに、人の体には微弱な電流が流れていて、脳はこの微弱な電流によって全身をコントロールしています。ガルバニー電流が発生すると、精密機械が妨害電波で誤作動する現象のように、脳からの指令が混乱してしまいます。その結果、体の痛み、疲れ、不眠、イライラといった様々な神経症状を引き起こす可能性があり、ガルバニー電流が原因と気付かないまま、自立神経失調症や更年期障害と診断され、不快な症状が続くと言われています。
銀歯が錆びたり劣化すると、歯と銀歯の間に隙間ができるので、銀歯の下に、二次むし歯ができてしまいます。
お口の中は酸性、アルカリ性、熱い、冷たいなど過酷な環境です。金であればこのような環境でも変化しませんが、保険の銀歯(金銀パラジウム合金)は、金が12%しか含 まれておらず、銀やパラジウムがほとんどを占めています。そのため、銀歯が錆びたり劣化して、銀歯の下に二次むし歯ができやすくなるのです。
メタルインレーは銀歯の詰め物、メタルクラウンは銀歯の被せ物です。主に金銀パラジウム合金が使用されます。笑った時などに見えてしまうことを気にされる方も少なくありません。
「コア(土台)」は、被せ物を固定するための土台で、保険治療では、金属の土台(メタルコア)が多く使われています。
このメタルコアの使用により、「ブラックマージン」を生じてしまうことがあります。ブラックマージンとは、クラウン(差し歯)やブリッジなどの補綴物や、メタルコアなどの金属が露出してしまうことで、補綴物と歯茎の境目に出きる黒いラインのことです。審美面において大きなマイナスとなるので、悩まれる方も少なくありません。また、メタルコアの使用により、「メタルタトゥ」を生じてしまうこともあります。
メタルタトゥーとは、クラウン(差し歯)やブリッジなどの補綴物や、メタルコアなどの金属が錆びて溶け出して歯肉に沈着し、歯茎が黒く変色してしまうものです。
「金属の刺青」とも言われているように、歯肉の奥深くまで金属イオンが浸透しているため、簡単に取れないことが多く、外科的にメスなどで切り取る手術が必要になります。
メタルタトゥも、審美面において大きなマイナスになるため、悩まれる方も少なくありません。
メタルコアを使用することで、「歯根破折」のリスクが高くなります。メタルコアは歯よりも硬く、さらに「くさび効果」も相まって、歯を割ってしまうのです。
銀歯はレントゲンでは真っ白に写ってしまうため、中がむし歯になっても検査で調べることはできません。当院では、装着してから2年以上経過した銀歯に関しては、1度外して中にむし歯が無いか確認してみることをお勧めしています。